雪と魔法

動物園の勤務時代の話。

ザッザッザッと大雪の中を歩いて、
いつもの園内を巡回している時、
自分の無線にカモシカが死んだから来てくれとの
連絡がありました。

直ぐに病院に戻ると、
病院の解剖室に、冷たくなった
カモシカが横たわっていました。

カモシカは特別天然記念物の為、
死亡すると国に報告しなければいけません。

その報告書を作成するため、

状況写真、病理解剖が必要です。

その準備をする前に、

まずは、本当に死亡しているかを
確かめる為聴診器を当てました。

すると微かに心臓の鼓動が聞こえました。
「あっ、生きている。」
直ぐに治療に取り掛かりました。

その時ドラクエをしていたので、
こんな時、回復系の魔法が使えたら
いいのになーと思いました。

かなり衰弱はしていましたが、

1週間くらいの治療で元気になり退院しました。

昨年、動物病院では死にそうになり、
運ばれてきた動物が沢山いました。

助かった子もいれば、
残念ながら死亡した子もいました。

ある雪が降った日、
意識が無く、体温も低く、
瞳孔も開いているワンちゃんが
飼主様に抱きかかえられて、
入ってきました。

ほとんど死んでいると言ってもいい状態でした。

初診で、かかりつけの病院が休診ということで、
来院されました。

フィラリア予防もされているし、
ワクチンも毎年接種しているし、
かかりつけの病院で定期的に検診をしているので、
今まで大きな病気は無いとのことでしたが、
検査したところ心臓の病気が分かりました。

入院治療が良いのですが、
飼主様が入院を希望されませんでした。

確かに、入院しても死亡する可能性が高かったので、
家族に見守られて過ごすのが一番良いと考えたので、
通院で治療することにしました。

治療が終わり帰られた後、

看護婦さんが、
「私の犬が死亡した時と似ています。」と言いました。

話しを聞くと、
看護婦さんが当院で働く前に可愛がっていたワンちゃんが、
他の病院で治療していて最近死亡したとの事でした。

次の日その飼主様が来られました。

死亡した報告かと思っていると、

「元気になって、動き回れるようになり、食欲も出た。」と言われました。

聞き間違え過と思い
「えっ?」と聞きなおしました。

すると飼主様は
「先生は、魔法使いか?魔法をつかったな。」と…。

ちなみに、
「オズの魔法使い」シリーズは全巻読んだし、
「ハリーポッター」、「指輪物語」
「ナルニア国物語」など魔法の話は、
よく読んでいました。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント