魚を捕りに行った話。

 宮城県にあるマリンピア松島水族館勤務時代の話。
松島水族館は歴史が長く、職員も優秀で良い水族館です。

ある時、係長が担当するクマノミの孵化がはじまりました。

クマノミの稚魚をそのままにしていると、
死ぬことがあるので、
孵化したらすぐに稚魚を別水槽に移さなければ、いけません。

孵化は夜遅くになるので、
係長が1人で待機して作業をやると言っていましたが、
見たかったので、自分も残ることにしました。

孵化は夜中の0時ごろから始まりました。
一斉に孵化が始まり、2人でやっても大忙しでした。

その後、クマノミの孵化、産卵は連日続き、
毎日夜中の0時を超えてからの帰宅でした。

孵化ラッシュが落着いた夜の8時頃、
勤務が終わり帰ろうとしていると、
「今日暇か?」と後で声がしたので、
振り向くとそこには笑顔の係長が立っていました。

クマノミの仕事が落着いたので、
そろそろ飲みにいくのかと思い
「今日はとっても暇です。」と笑顔で答えました。

すると「今から、マンボウを捕りに行く。
交替で運転して明日の朝までに、三陸まで行く。」との事。

「えっ?分かりました。」と言って準備にとりかかりました。

そういえば、数日前マンボウが死亡して、
病理解剖をしたばかりで、

係長がクマノミを観察している時に、
バックヤードのマンボウの数を増やしておきたいと
話していたことを思い出しました。

マンボウは松島水族館のスター魚。
そのため、展示以外にもバックヤードに数頭を飼育して、
死んだ時にも直ぐに展示できる体制でした。

ちなみにマンボウは、フグの仲間で、
皮膚から抗生物質を出すと言われていて、
海のお医者さんと呼ばれています。

そういえば、入館して最初にしたのは、
2tトラックの運転の練習でした。

トラックの荷台に水を入れるタンクがあり、
水を入れるとバランスがとりにくいので、
タンクに水を入れた状態で練習していました。

係長と交替で夜中、山道を運転して、
早朝の三陸に到着しました。

海が荒れていたので、
朝食を食べて
帰るのかなーと思っていると、
「早く船に乗れ!」と言われて船に乗りました。

でも、沖のほうに行くと、乗物酔で動けませんでした。
ただ、船の上で新鮮なイカなどの刺身をつくって貰った時は、
一時的に元気になりましたが、
それ以外は横になったまま、動けませんでした。

そのうえ、マンボウもいませんでした。

陸に戻ると気分が悪いのが治まり、
三陸名産の魚介類の朝食を食べて、気分が良くなり、
「帰りは全部運転します。」
と思わず言ってしまいました。

トラックは練習の成果があり、
ゆっくりながらも、車の揺れが少なかったので、
係長は水族館に到着するまで寝ていました。

数日後、「ジンベイザメが捕れたので引き取ってくれ。」
と漁師さんから連絡がありました。

係長がこっちを向いたので、
反射的に「船に乗らないのなら、自分が行きます。」と言いました。

今度は船に乗らないから乗物酔いはないと思うと気が楽になり、
ワクワクしながら係長と2人で行くとそれは、体に白い点は付いているが、
ジンベイザメではなくシノノメサカタザメでした。

シノノメサカタザメ

でも、展示する水槽の大きさ事を考えると
シノノメサカタザメでよかったと思いました。

大水槽に展示してホッとつくまもなく、また係長から仕事が…。
まだまだ続くので、その話は気が向いた時に。
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コメント

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松島水族館へマンボウが見たくて行ったことがあります。
楽しい水族館でした。

Re: タイトルなし

以前、畑正憲(ムツゴロウ)さんが松島水族館に来て、
マンボウとのエピソードがありますが、
気が向いた時に書きますので、よろしくお願いします。

マンボウとれるとよいですね。