ゾウの牙治療

大森山動物園勤務時代の名刺には、
自分の描いたゾウのイラストが、
付いています。

ちなみに、動物園時代の名刺。
meisi1

裏。
meisi12

下絵。
meisi14

裏。
meisi13
後で見たら草むら等反対でしたが、
書き直すのがめんどくさいので、そのままにしました。

今回は、ゾウの話をします。

秋田市の大森山動物園には、
2頭のアフリカゾウがいます。

名前はオスが『ダイスケ』、メスが『ハナコ』。

ちなみに、名前は、
漫才コンビの『宮川大助、花子』とは関係なく、
公募で決まりました。

その、『ダイスケ』が牙を折り、炎症を起こしました。

犬や猫では、歯が悪い場合は、特殊な場合を除いて
投薬か歯を抜くか削ったり、歯石除去が普通です。

でも、動物園では、入れ歯を作ったり、
人と同じように治療することがあります。

ある動物園のゾウの牙が炎症を起こしたそうです。
投薬のみで治療しましたが、
最後に脳炎で死んだそうです。

ゾウの牙の根本は頭の付近まであります。
牙の炎症が進行すると脳にまで波及する事があります。

担当の獣医さんから
「麻酔をかけて治療すればよかった。残念だった。」
という話を聞いていたので、

そうならない為に担当者全員で何回か
会議を開き治療方法を検討しました。

まずは麻酔。
日本全国でもゾウに麻酔をかけたことのある動物園は、
そう多くはありません。

麻酔の経験のある動物園に教えてもらいました。

歯の治療方法も
市内の人間の歯医者さんに教えてもらいました。

牙を抜く方法も考えましたが、
歯の根本が深く大変なので、
抜かないで、治療することにしました。

方法は決まったので、次は説明。

動物園は市で運営しているので、
治療方法などを、市の担当者や
市長まで説明が必要でした。

そして、治療開始。

麻酔で倒れた時の為に、
ワラで床を敷き詰めて、
麻酔薬を静脈から入れました。
しばらくたつとユックリ横になりました。

牙の先に付いた土などの汚れを取ると、
大量の膿が出てきました。

洗浄して、薬品を塗って、
抗生剤を詰めて、その上を固めました。

その後、10回以上麻酔をかけて治療しました。

横になると足を痛めることがあったので、
最後には立たせたまま、
鎮静させる方法も見つけました。

牙治療をした時は、
最初、膿を体に浴びました。

物凄く臭かったので2回目から
浴びないようにするため
合羽を着て治療することにしました。

でもお風呂に入っても数日間
膿の臭いが体からとれず、
どんな食べ物の匂いも、
膿の臭いが跳ね返したので、
結局、臭いがする間は美味しい物を食べないようにしました。

で…その甲斐があり炎症は落着きました。

もし、大森山動物園に行った時、
左右の牙の長さの違うゾウを見たら
それは脳炎にならず、元気になった『ダイスケ』です。
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コメント

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はじめまして、足跡からまいりました。

ゾウの治療。。。体格差を想像すると、ほんとうに大変そうですね。。それを何カ月も!

大森山動物園に伺うチャンスがあったら、ダイスケくんの牙を拝見しますね。

旅行記、楽しく拝読させていただきました。治療記も、猫と暮らしているので、とても参考になりました^^

Re: タイトルなし

治療は数ヶ月間続いたので、大変でした。

臭いきつそうですね。でも良い仕事されてますよね。